理学療法士マネジメント

ヒューマン・マネジメント

「ヒューマン・マネジメント」の基本的な部分について整理していきます!

ヘルスケア・サービス組織の原則

組織とは、何らかの目的を達成するために意図的かつ恒久的に作られた持続的な役割システムです。そして、ヘルスケア組織とは、「多様なヘルスケア専門職からなる組織」で、組織の根本は人です。
【特性】

①多様な医療専門職からなる組織、専門分化した結果ネットワークが不可欠となった→多職種協働
②完全専門職を頂点とする階層構造、多様な医療専門職の職種間関係には専門職支配構造がある。しかも専門職権限が経営管理権限よりもパワーを持っている→医師の力が強力
③公共サービスを提供する組織であり、医療サービスが公共的サービスである為に、組織は医療制度に規制される組織となる。組織は規範的組織であり、公共性・非営利性を前面に出す組織である。

【非営利について】
医療法人は非営利組織とされている。
しかし、営利的であるところがほとんではないでしょうか(高橋淑郎氏もしてきしている)。
では、非営利組織は儲けてはいけないのか?
事業を継承・拡大、地域への貢献、質の良い医療を提供するための医療機器の購入や職員の質の向上のための投資など儲けが必要となる場面が多いと思います。
何の為に儲けるのか?
経営者や働くスタッフ、患者様、地域の住民、その他関わる病院や事業所等に貢献する為ではないでしょうか!!
これらをベースとして、働くスタッフがやりがいを感じること、自己重要感を高めながら働ける場所であるべきだと思います。

そして、これらのために、多くの優秀なスタッフを揃え、最新の設備をどんどん揃えればいいのか?
そういうことではないかな、と思います。
現在の医療状況の中では、”限られたパイ”もしくは”減らされていくパイ”の中にいます。
そんな中で、経営者や管理者がスタッフの業務や感情に目を向け、話を聞き、患者様や利用者様の声に耳を傾け、社会情勢や地域社会が何を求めているのかを感じ取れるかが重要となります。
その為に、マネジメント力が必要となります。

人と組織のマネジメント

専門職と組織の関わり

共通目的:組織としては共通の目的を持つことで統合されるべきである。そして、ヘルスケア組織においては、専門職それぞれに目標があり、組織目標が個人の目標を規定するわけではないです(トップダウンではなくボトムアップ)。
→多職種協働を成り立たせるためには、組織目標に対する個人の意欲や貢献が必要。

組織目標に合わせて個人目標を決めるということではないかな、と感じています。
組織だけでなく、個人もまずは自己の価値観や信念をしっかりと持ち、それぞれの目標や目的を明確にすることが重要です。過去の経験や知識・技術がすごく大事と言われている世界の中で、社会の声に耳を傾け、その中で自分たちがあるべき姿を見つけられる、感じ取ることが大切です。

目標

ヘルスケア組織の目標としては次の点が挙げられます。
①社会的目標
ヘルスケア組織では、公共的サービスを提供するという社会的目標は組織の前提条件あるいは成立条件。地域への貢献。
地域に貢献する中で、どのような責任領域を分担するかは組織、個人によってかわります。
②専門職の能力成長目標
専門職としての成長と組織としての目標は必ずしも一致しない。
③企業全体組織としての成長目標
生存、成長が目標。
投資を可能とするために利益が不可欠となる。

ヘルスケア組織での管理能力

組織はミッションや目標だけでは運営できない。
目標の遂行過程で専門職や経営管理者のリーダーシップが問われる。
スタッフの自律性、専門職部門の自律性が強調されるため、マネジメント力、リーダーシップ力が必要となる。

組織の理念と個人の目標や思いを共有化していくために、組織自体、個人間においても「生きた言葉」でのコミュニケーションが重要となる。
リーダーは自分のロマンを語り、スタッフはそれを理解し、社会情勢や自分の目標なども加味しながら、自分の組織内でのあるべき姿を明確にしていく必要があります。

ABOUT ME
masaMG
地域の医療法人にて病棟リハ・訪問リハを兼務し、地域高齢者へのリハビリを理学療法士として実践。それと並行して、組織内のリーダーポジションとして、地域のリハビリテーション病院でのリハビリ、役職者のサポートと後輩教育・管理を担当。NLPを中心としたコミュニケーションを活かして、法人内での多職種・多事業所連携だけでなく、地域のネットワークを構築し、地域での連携強化にも尽力。 それらの経験を基にして、企業が運営するデイサービスの施設長へ就任。中間管理職として、組織運営や地域への貢献に対して力を注いでいる。 【ブログの主な内容】 若手マネジャーセラピストとしての苦悩や葛藤、経験について、コミュニケーション・人への関心を基にして書きます。 マネジメントやリーダーシップについても言及。
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。